株式会社ESF

2019.06.17

「アルバニア料理」


料理の原点、友と一緒に楽しく食べる健康的な食事

文 / Ina Lulaj (イナ・ルライ)
フォトクレジット / Revista Shije
ATA, GOV Albania

「アルバニア」ってどこ?これは私がいつも受ける最初の質問です。アルバニアはヨーロッパで最も「未知」な国のひとつと言えるでしょう。その位置と形を正確に言い当てることができる人は全く稀です。面積は北海道の約1/3、人口は茨城県とほぼ同じ。バルカン半島の南西部に位置し、アドリア海からイオニア海に続く美しい海岸線を持ちます。オスマン帝国時代が長かった歴史的な経緯からイスラム教徒が国民の大半を占めるヨーロッパでは珍しいイスラム協力機構加盟国です。2014年からユーロ加盟候補国となっています。

アルバニア料理は、「健康」と「ホスピタリティー」という2つの言葉で表現することができます。地中海性気候の中で育まれたバラエティ豊かな自然食材にめぐまれ、100%健康食生活を満喫することができます。オリーブオイルは、アルバニアでは古くローマ時代から最も人気のある食材として多くの料理に使われます。 また、アルバニア人は純朴で、友人や遠来の客を大切にし、自宅に迎え入れ歓迎することが大好きです。私たちの食事といえば皆で食物をシェアすることで、これはアルバニア食文化の非常に特徴的な側面です。日本には「おもてなし」という素晴らしい言葉がありますが、私たちには「Besa(ベザ)」という言葉があり、これは「お客様に対して最高の敬意を込めてお世話することは私たちのおきてだ」といった意味です。

TAVE KOSI (タヴェ・コジ)(ヨーグルトと子羊のキャセロール)

エルバサンは、民族博物館、戦争博物館、クリストファー・クリストフォロディ(有名なアルバニア人作家)を展示した博物館、最初の学校「シュコラ・ノルマル」など18世紀の建造物がある古い街並みで有名です。 「ディタ・エ・ヴェレズ」と呼ばれるアルバニア最大の夏のお祭りも、エルバサンで開催されます。この日は国民の休日となっており、バターとコーンフラワーでできたクッキー「バイオクメ」を食べるのが風習です。

エルバサンで最も有名な料理が「Tave Kosi(タヴェ・コジ)」です。ご飯とヨーグルトと卵を混ぜ合わせて作られるラム料理で、土鍋で作ったムサカのような料理です。アルバニアではヨーグルトは皆自分の家で作ります。ヨーロッパ各地で数々の賞を受賞したナイミ・バシュミリが、「Tave Kosi(タヴェ・コジ)」の作り方を伝授します。

TAVE KOSI (タヴェ・コジ)
<材料>
ラムショルダー
ヨーグルト

ライス
小麦粉
バター
塩、コショウ、ローズマリー



1kg
400g
4個
大さじ1
大さじ1
100g
適量

<作り方>
オーブンを180℃/ 160℃に加熱する。 大きな蓋をした鍋でバターとオリーブオイル100グラムを強火で加熱する。 子羊肉に水200mlを加えて、柔らかくなるまで約45〜60分間煮込む。ご飯を炒め、塩と胡椒で味付けし、陶器または耐熱皿に移す。残りのバターを小さな鍋に溶かし、小麦粉を加えて2分間熱してルーを作る。ヨーグルトを加えてよく混ぜ合わせ、数分間弱火で調理する。 火を止め、卵を加え、塩と胡椒を加える。子羊と米を混ぜてソースを注ぎ、すりつぶした新鮮なナツメグを上にまぶし、金褐色に変わり始めるまでオーブンで40〜45分間焼く。オーブンから取り出して、5分間寝かしたあと、サーブする。

HALLVE (ハルヴ)デザート

Lezha(レジャ)は紀元前8世紀、オスマン帝国と戦った国民的英雄スカンデベルグが軍勢を率いて決起した街です。この国民的英雄は死後この街のレジャ大聖堂に祀られ、何千年もの長い眠りについています。

写真のデザート「HALLVE (ハルヴ)」は、レストラン「ムリッツィ・イ・ザナヴェ」のシェフ、アルティン・プレンガの作品です。レストランはアドリア海沿いの美しい田園地帯にあり、ザクロとオリーブの木に囲まれています。レストランの名前「ムリッツィ・イ・ザナヴェ」は「美の神々がくつろぐ場所」を意味します。また、レジャは、アルバニア文学の巨匠であり政治家ジェルジ・フィシュタが生まれた地としても有名です。

レストラン「ムリッツィ・イ・ザナヴェ」にはメニューがありません。この地方、この季節の食材を厳選して、シェフが一日だけの最高メニューを提供します。そこでの、食事体験は、目を楽しませ、舌を喜ばせ、シェフの食材やお客様への愛情と思いやりへの感動を得ることができるでしょう。

レストランの建物は古い建築を改装したもので、古い壁と近代的なガラスで芸術的に覆われており、古い物と新しい物の融合、あるいは古き伝統と最先端の技術が出会う場所を表現しています。

このレストランには、自家農園やオリーブ農園、ブドウ畑そして稲作田まであります。料理は全てオーガニックでアルバニア料理のみ。スロー・フードの推進者でもあるシェフは、郷土料理を引き継いでいくことが、あらゆる文化において非常に重要であると考えています。

レストラン「ムリッツィ・イ・ザナヴェ」の成功は、その新しいコンセプトや斬新さだけではなく、郷土料理に大きな誇りと深い愛情をもたらしています。

HALLVE (ハルヴ)
<材料>
栗粉
ラキ(アルバニアのアルコール)
パプリカ
キャラメルアーモンド



1カップ
大さじ4
大さじ1/2
カップ1/2

<作り方>
鍋に大さじ3杯のバターを溶かし、1カップの栗粉を加える。焼色が付いたら、大さじ1/2のパプリカを加え、1/2カップの水を加えて泡立てる。1/2カップのキャラメルアーモンドと大さじ4杯のラキ(アルバニアのアルコール)を加える。

アルバニアには「Buke e kripe e zemer!」(ブーケ・クリペ・ゼメール)という諺があります。これは直訳すると「パンと塩と心」ですが、「愛情を込めて料理を作り、それをあなたの心に寄り添ってくれる人と一緒に楽しむことができるなら、(パンと塩だけで十分満たされ)何を食べるかは問題ではない。」という意味です。

それでは美味しいアルバニア料理をお楽しみ下さい。
Ju Befte Mire! (ユ・ベフテ・ミレ)(良いお食事を!)