株式会社ESF

2020.05.11

カレーの話


「カレー」の名の由来

専門家によると、4,000年前にはすでに人類はスパイス料理を食べていたと考えられています。

カレーと言うとインドを思い浮かべるに違いありませんが、インドにカレーという料理は存在しません。そもそも広大なインドには一つの食文化というものは存在せず、それぞれの地域で異なる食材や調理法、料理名があり、独自のインド料理を生み出しているのです。

でも、どうしてカレーという名前がついたのでしょう? 語源には諸説ありますが、「カレー」の語源として最も有力なのは、スープのようなスパイスの効いたソースであるタミル語の「カリー」というのが定説になっています。そして、インドを植民地としていたイギリス人によりインド独特のスパイス料理が一緒くたにカレーとしてイギリスに紹介されたのが現在のカレーだということです。

イギリス初のカレーハウス

このようにしてイギリスに渡ったカレーですが、1810年にはイギリスで最初のインド料理店がロンドンで開店しました。インド系移民で最も成功した起業家であり医師である、シェイク・ディン・ムハンマドが、ロンドン中心部にインド料理などを提供するヒンドゥースタンのコーヒーハウスとしてオープンしました。残念ながらこのレストランは間も無く財政難で閉店してしまいましたが、以降カレー文化がイギリス全域そして他のイギリス植民地などにも広がっていき、世界各地でそれぞれ独自の発展をしています。

カレーの本場イギリス

イギリスに渡ってきたカレーは、インドでは絶対にありえない牛肉を使ったりと、インド料理とはかけ離れたものでした。でも今日カレー料理の中心地はインドではなくイギリスだと言っても、誰も反対はしないかもしれません。なぜなら、イギリスには1万軒近いカレーハウスがあり、ロンドンにはインドの大都市ムンバイを大きく凌ぐ数のカレーハウスがあるのです。総人口6000万人のうち2000万人以上のイギリス人はよくカレーを食べに行くと答えるでしょう。フィッシュ&チップスと並んでカレーはイギリスの国民食とも言えます。

日本人の国民食になったカレー

18世紀にはイギリス式のカレーが日本にも紹介されましたが、当初軍隊で採用されて普及したことはよく知られています。その後、古くから漢方薬としてスパイスも扱っていた浦上商店(現ハウス食品)がカレー粉、小麦粉、油、調味料などでカレーを調理して仕上げた固型のカレールーを発売すると、カレーは一気に家庭の食卓にのぼるようになり、日本の国民食と言われるまでに発展をしました。日本人のほとんどは子供の頃から慣れ親しんだカレーに恋しています。

イギリスではカレーはレストランで食べるものでほとんど家庭で作るということはしませんが、日本では主に家庭料理として普及しました。家庭でも簡単にカレー料理ができる日本式の固型カレールーは近年様々な種類が発売されとても人気になっており、世界の食卓へも浸透し始めています。ハウス食品傘下のカレーショップ「coco壱番屋」が世界ブランドとして展開しており、本場インドへの逆上陸を果たしたことも日本式カレーの人気を物語っています。

「Tikka Masala(ティッカマサラ)」の謎

イギリスで最も人気のあるカレー料理といえば、「ティッカマサラ」です。驚いたことにこの「ティッカマサラ」、インドからではなくイギリスのグラスゴーが発祥です。これは最近わかったことですが、パキスタン出身のシェフ、アリ・アーメド・アスラムが、グラスゴーにある彼のレストランで、ヨーグルト、クリーム、スパイスなどを混ぜて作ったソースを即興的に発案し、今日の人気料理を生み出したというのが真相です。2013年にアリの息子、アシフ・アリが父親の創作の話をBBCの料理番組 「Hairy Bikers」 で語るまで、イギリス人は「ティッカマサラ」をインドの伝統料理だと信じて疑っていませんでした、

世界一辛いカレー

チキンナガは今までに作られた中で最も辛いカレー料理の一つとして有名です。この料理は、Scoville Scaleで855 000と測定される大量のナガ・ペッパーの種で作られています。しかし、今までで一番辛いカレーではありません。最も辛いカレーのタイトルは悪名高い 「炎のような熱いファイヤー・ファール」 に由来し、地球上で最も辛いトウガラシの2種、すなわちサソリとナガのトウガラシで作られている。パッケージにも、買い物客のための警告サインがいくつもあるほど暑い。まさに「とても、とても、とても暑い」です。Scorpion PepperはScoville Scaleで150万と評価されているが、これはまったくばかげている。

ギネスブック認定カレー

今やワールドクラスの料理となったカレーですが、ギネス・ワールド・レコーズによると、これまで作られたカレーの中で最大のものはシンガポールで調理されたものだそうです。アジア中のシェフが料理をするために集まるこのイベントは4日間続く毎年恒例の料理イベントとなっています。なんと1トントラックが15台連なる量のカレー、まるでカレー・プールですね。何人の人がこの料理に招かれたのかは不明ですが、平均的なカレー一人分が200g前後として計算しても7万5千食、おそらく満員の東京ドームの人々が一斉に食べてもまだ余る数字ですね。

カレーにつきもののナンでは、世界最大のものがカナダのトロントで焼き上げられ記録を作りました。長さ5 m、幅1.26 mで重さ32kgという途方もない大きさであったそうです。

また、イギリスのカレー料理では、スターターとしてポパドームが出されるのが常ですが、ポパドームをどのくらい積み上げるかという変な記録もあります。今までの記録を6cmも上回る1.57 mを積み上げたのは、マンチェスターのカレーレストランチーム。ナヒム・アスラムシェフは「ゆうべの勝利にとても満足しています。私たちは何週間も練習してきたので、チームとして万全の自信がありましたが、やはり緊張しました」

カレーは世界中でなんとも笑顔に溢れる楽しそうな光景を生み出していますね。